スーツを着た王子様


「なぁに見てんだよ。

置いてくぞ。」


結城さんに鼻を摘まれる。


「いひゃあ〜い!」


「プッ…。(笑)」



ただひとつ、気になるのは、



「ほら、行くぞ。」

先に歩いて行ってしまう結城さん。

「ま、待って!」



それは…


女の人の視線。



すれ違う女の人が、結城さんを見て振り返る。

こそこそと話すのも聞こえる。

「かっこいいー!」
「ほんとだぁ!」
「モデルとかかなぁ〜?」



…わかってる。

結城さんが素晴らしくかっこいい人だって。
女の人を振り向かせちゃうくらい。



…でも、

結城さんは、私の結城さんだよ。



なんて思っちゃうのは



欲張りなのかな…。







< 209 / 423 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop