スーツを着た王子様
「真崎!
ちゃんと予習くらいしてこい!」
「…すみません。」
いつもなら、
まただぁ〜…って嫌になる先生の説教も
どうでもよくなる。
「桃〜大丈夫?」
後ろから優しく景ちゃんに声を掛けられる。
きっと、今景ちゃんに話したら涙が止まらなくなっちゃうな…
それに、
上手く話せそうにない。
「ごめんね、大丈夫!
ちょっと気分悪くって…。」
「…無理しないでよ?
辛かったら何でも言って!」
景ちゃんはきっとわかってる。
でも今はその優しさに上手く甘えられない。
授業も頭に入らない。
結局、午後からは早退することにした。