スーツを着た王子様
わかっていても…
なぜだか独り占めしたい気はしなかった。
たぶん、わかっていたから…。
俺ひとりに絞ってくれないことくらい。
半ば諦めていたのかもしれない。
でも別れようとはしなかった。
寂しかったんだと思う。
2人の時だけ、妙に優しくなる深雪の優しさに甘えてたんだ…。
…騙されてたのかもな。(笑)
俺のマンションの部屋の合鍵は、
いつのまにか勝手に深雪が作ってた。
びっくりしたけど、
取り返しはしなかった。
どうでもいいや…って思った。