スーツを着た王子様



「だめじゃない。

もっと、気遣ってあげなきゃ。ね?」


その顔はまるで、

早く別れなさいって言ってるみたいだった。



「…でも、深雪さんはもうすぐ結婚するんですよね?」



なんでこんなに創平に構うの?



「関係ないわよ。

だって、こんなにボロボロなのに、心配でほっとけないわよ。」



なに…それ



「あなたも色々疲れるでしょう?

だから…。」



疲れる?

私が?


何に疲れるって言うの?




「早く別れなさいよ。

創平は私にまかせて。ね?」




その時、


私の中で何かがプツンと切れた。









< 328 / 423 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop