スーツを着た王子様
「…ってください!」
「え?」
「創平さんをッ…!
返してください!!」
私は自分でも驚くくらいの声で叫んでいた。
「返してって…創平は物じゃないのよ?
それに、あなたにはもったいないわ。」
「もったいなくない!
だって、こんなに好きなんだもん。
想う気持ちはあなたには負けないもん!
だから…もったいなくない…ッ!」
涙が溢れてくる。
「なによそれ。
そうやってすぐ泣くから、創平も疲れるんじゃない?」
「仕方ないんだもん!
好きだから、涙が出るんだもん!」
もはや私は逆ギレ状態。
でも…
創平さんだけは譲れない。