スーツを着た王子様



『お前それ、ずるいよなぁ…。』

「へ?」


はぁ…とため息をつく、受話器の向こう側の創平さん。

私は意味がわからなくて何て返したらいいかわからない。



『それ、狙ってんだろ?
俺が断れなくなるからって。』


「な、なにが?なんのこと?」


はぁ〜…とまた大きなため息をつく。



『負けた負けた。
仕方ねぇから着てやるよ。』


「ほんと!?超楽しみ!
浴衣持ってるの?」


『ん。一応な。
俺の浴衣姿見て、鼻血出すなよ?(笑)』


浴衣姿…

想像しちゃった。


やばいくらいかっこいいよ、きっと。



「出しちゃうかも…。」


『ははは、ばぁ〜か!』






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