寝ている妹にキスをした☆



……雛は気付いていない。


この男は、雛が好きなんだ。


こいつは、雛を目で追っている。


雛と話すとき照れたように笑う。



……あとの証拠は俺の勘。







「……あの、話しって…?」


男が俺の顔を見て聞く。

いちいち顔見んなつっーの!

ガキかよ…お前は……。

「……確か、拓哉くんだよね?」


「はい!そうです!!
よく知ってますね!」


「あぁ。雛がよく話してるからね、友達って。」

……嘘だけど。

こいつをはめるための嘘。


「ほ、本当ですか!!?」

身を乗り出して聞いてくる。目を輝かせて。



…分かりやす。


「…嘘だけど」



「……え…。そ、そうですか……」


思いっきり落ち込んでる拓哉くん。


…バレバレだって。


「…好きなんだ?雛のこと」


「……はい…、まぁ…」

照れたように笑う。

初々しいねぇ。少年。


残念だけど、雛はもう俺のなんだよね。




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