寝ている妹にキスをした☆
「陸、さん……」
泣きそうな顔が、俺の怒りを増幅するようだった。
泣くな。お前が泣くなよ…!!!
雛を侮辱しておいて泣くのは許さない。
「……どうして!!?
どうして雛なのよ?!!」
皐月が後ろから抱き付いて、俺の動きを止めさせた。
「…雛は、大切な女。
ほかに代わりはいない。
雛が生れたときから俺のすべては雛なんだ…」
きっと生まれてきたときから好きだった。
あの笑顔。
あの声。
あの涙。
髪の毛一本までが
俺の大好きな雛の一部。
雛以外は愛せないよ――…。