寝ている妹にキスをした☆


「雛に会いたくて迎えに来た!!」


「た、くや…」



純粋な拓哉の瞳…。
まるであたしを責めてるみたい。



「…一緒に、学校行ってくれますか?」


顔をのぞき込んで、目だけを動かしあたしを見る。


上目づかいの拓哉は、ちょっと可愛い。



「…はい…お願いします」


拓哉のノリに合わせて敬語で答えるあたし。


目があって、一緒に笑った。







「…雛」


……!!
この声……、

「お兄ちゃん……。なに?」


陸の顔は、悲しそうで。
でも怒ってるようにも見える。


なぜかあたしの胸も締め付けられた…。



「朝食の最中だろー?
拓哉くんに上がって貰って早く食べな」


……え…。
陸は、拓哉に上がって貰っていいの?

嫌じゃないの??


付き合ってた時だったら、嫉妬してくれたのに…。



あ、そぉか。





陸はもぉ好きじゃないんだね。








なにを、期待してたんだろう。








陸がまだあたしを"好き"だって――…。







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