寝ている妹にキスをした☆
夢を見た。
陸があたしから離れていく夢。
陸はあたしから背を向け、歩いて行く。
行かないで…
声が出なくて、陸はどんどん離れていくのに、
あたしは動けないまま。
陸を呼び止めることも出来ない。
陸を追いかけることも出来ない。
ただ、見ているだけ…。
涙だけは勝手に出る。
あたしが出てほしいのは、陸を呼び止めるための声なのに。
やだ…
行かないで…そばにいて…。
あたしを離さないで。
ひとりにしないで…!!
「諦めなさいよ。」
…誰!?
突如聞こえた声。
気付けば、いつの間にか現われた皐月の姿。
「陸さんはあたしを抱いたのよ??
本当は、雛のこと好きじゃないの」
……違う
―嘘…!嘘だよ…!!
―陸はあたしを好きって言った!!
―陸はあたしを愛してくれたもん…!!
「……陸さんは、わたしと幸せになるんだからーー…」
皐月が、走り出して陸のもとに向かう。
…嫌!!
行かないで!!!
陸はあたしのもの!!
触らないでぇ!!
皐月が、陸の腕にまとわりつく。
やだやだやだやだ……!!!
さわらないでぇっ……!!!
皐月に気付いた陸。
でも陸は嬉しそうに微笑んだ。
いつもあたしだけに見せる顔で。
陸の隣りに歩く皐月は、とてもお似合いのカップル…。
いやいやいやいやいや…
どうして??
陸の隣りは、あたしの特等席でしょ??
なんで皐月がいるの??
振り向いて…っ……
そんな願いも叶わないの??
陸が好きなのに…
嫌……
陸………!!
あたしから離れて行かないでぇぇーーー…!!!