寝ている妹にキスをした☆


「……雛…」



……雛にとっては、俺は家族なの?





「では、失礼します。」

雛は会釈をして、その場から離れた。




「……雛」

「なに?」



帰りの車のなかで、俺は雛にさっきのことを聞いた。



「雛にとって、俺は家族なの?」


"男"としてじゃなく――。


「当たり前じゃん」












その言葉が、頭に駆けめぐる。



家族…。


雛は俺を見てくれないんだな…。

分かっていたことなのに。
雛が俺のことを好きになるわけなかったんだ……。



何を、夢見ていたんだろう。


最初からありえないことだったのに。



"家族"が家族を恋愛感情で見ることなんて、ないんだ。


この先、一生――…。





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