初恋彼女

あ、そういえば先輩に彼女いるって聞いたことあるっけ。

 
「祐真ごめんな、こいつうるさくて。」


先輩はじっと見ている俺に気づいた様子でそういった


 
「なによ幹太。これ耳元で吹いてあげよっか?しかもハイウェイで」


「あーごめんごめんごめん」


そんな会話の途中だった


 
「実優っ」

 
さっきと違う声


流れるフルートの音色がもっと近くで聞こえる。

 
俺は後ろを振り向くと


さっきの女の人が後ろにたっていた


 
「あ、さとみぃ」


『実優さん』と思われる先輩の彼女はそういった

 
「おい加藤、ちょっとこいつはなしてくれないか?」


どうやらこの女の人は先輩のようだ


 
確かに胸元には


3-3 加藤

という名札が下がっている

 
先輩の彼女はどうやら浅原さんというらしい。そもそも名札が下がっていた


 
浅原先輩は彼女のことを『さとみ』といっていたから

 

おそらく下の名前は『さとみ』なのだろう

 
加藤さとみ・・



俺は不覚にもその名前を一瞬にして脳に焼き付けてしまった
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