初恋彼女


「あ、さとみーっ」


「ちょっと加藤、こいつはなしてくれよ」


実優は幸せそうだった。



横に片倉くんがちょこんと立っていた。


「実優、実優がわからなかったとこできたよ。」



「え、マジで?」


「ここがね・・こうなってて・・・」


私が吹いてみせると


実優も楽譜とにらめっこして


吹き始めた。



なんとなく片倉くんの視線が感じれる。


実優の音がだんだん形になってくる。



「そう!それ!」


私が声を上げた


「できたぁ!」
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