初恋彼女

「ただいま・・」


玄関のドアを引く。


ドアを開けると母さんが夕飯の支度をしていた。


「あらお帰り。お風呂できてるわよ」


「んー・・わかった」


俺は体操着を投げ捨てると自分の部屋へと向かった。



教科書が必要最低限入ったカバンを下ろし


俺は扇風機の前に座って電源を入れる。


扇風機は電子音とともに俺の前髪を揺らす。


それとともに浮かんだこと。


翔哉の言葉



加藤先輩。



確かに先輩を見た瞬間


俺の中に何かが駆け巡った。


それはなんなのかは分からないけど


それ以来俺の中に何かがつっかかっている。


あれ?俺年上趣味だったけ?


翔哉の言ったとおり


俺って本当に今までサッカーしかなかった。


兄ちゃんに彼女ができたのも


このころだったけ。


すると部屋のドアが開いた。


 
兄ちゃんだった。

< 24 / 35 >

この作品をシェア

pagetop