初恋彼女
「ただいま・・」
玄関のドアを引く。
ドアを開けると母さんが夕飯の支度をしていた。
「あらお帰り。お風呂できてるわよ」
「んー・・わかった」
俺は体操着を投げ捨てると自分の部屋へと向かった。
教科書が必要最低限入ったカバンを下ろし
俺は扇風機の前に座って電源を入れる。
扇風機は電子音とともに俺の前髪を揺らす。
それとともに浮かんだこと。
翔哉の言葉
加藤先輩。
確かに先輩を見た瞬間
俺の中に何かが駆け巡った。
それはなんなのかは分からないけど
それ以来俺の中に何かがつっかかっている。
あれ?俺年上趣味だったけ?
翔哉の言ったとおり
俺って本当に今までサッカーしかなかった。
兄ちゃんに彼女ができたのも
このころだったけ。
すると部屋のドアが開いた。
兄ちゃんだった。