初恋彼女
夕食はハンバーグだった。
俺は食卓のおきまりの席に座り
「いただきます」とつぶやけばソースをかけた。
母ももうすぐ席につくようで
兄ちゃんも明日香さんを送って入ってきた。
父さんは仕事っていってたっけ。
俺はハンバーグを口に運びテレビのクイズ番組を見ていた。
兄ちゃんも母さんも食べ始めたころ
母さんがこんなことを言い始めた
「あ、祐真、塾申し込んどいたから」
「はぁ!?」
俺は思わず声を上げた。
以前1,2度塾に行く話しはあったが
俺がサッカーに集中したいと言い切ったことで
なんとかいくことを逃れていた。
しかし、前回の中間は散々なもので・・
成績が下がる一方なのは確かだった。
「俺、絶っっっ対行かないからな!!」
俺がそういうと
「あんたこの間の成績じゃ高校いけないわよ!うちの家は私立なんかに行かせるお金なんかないんだからね!!」
母も声を上げた。
「まあ、祐真行かないとサッカーだけじゃ高校いけねぇぞ」
兄ちゃんもさりげなく口を挟む。
兄ちゃんは昔から頭がよくて
スポーツ推薦で高校通ってても
成績は常に上位をキープしている。
「そういうと思って、申し込んどいたんだから。とりあえず数学ね。ホラ、近所の星野塾ね。」
母がそういうが、俺は納得できない。