初恋彼女

「俺、絶対行かねぇ・・」


そうつぶやいた瞬間


「祐真」

聞きなれた低い声


父さんだった。


「お前・・こないだのテストまた下がってたらしいじゃないか、サッカーを言い訳にするくらいならサッカーやめろって言ってるだろう!」


背広姿の父さんが帰るなり声を上げていた。


父さんの言うことはすべてあたっていて


というか、逆らったらサッカーやめさせられるといったほうが妥当だ。


父さんは高校サッカー全国優勝したこともあって


そのときはキャプテンでエース。


今も高校で先生をしながらサッカー部の強豪校の監督だ。


「行きゃいいんだろ、行きゃあ」


俺はしぶしぶ母さんの言うことを聞くことになった。



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