初恋彼女
俺は塾を出ると
先輩はもういなかった。
・・もう、帰ったか
仕方なく俺は自分の帰る方向へ足を向けた。
どこかで・・声が聞こえた。
それは近づくたびに大きくなり
だんだん男女の声になっていく。
「っ・・やめてくださいっ」
「このへんを一人でうろついてるほうがお兄さんたち誘ってると思うけどね・・」
俺は声の先を追った
先輩だった
相手はみるからに怪しそうな人
俺は走った
先輩のほうへかけより
先輩の手をぎゅっとつかんで
引っ張っていった。
後ろからなんだか声がした気がしたけど
そんなの気にならなかった
100メートルほど離れた空き地につき
あの怪しい人影も見えなくなったところで
俺は足を止めた
「え・・誰・・?」
先輩は息を切らしている
俺も息が切れている
「え・・片倉・・くん?」