初恋彼女
「あの・・サッカー部の・・」
先輩は動揺しているようだった
たしかにあの日会ったっきりの俺のことを
覚えているなんてないだろう
「そうです、サッカー部の片倉祐真です。」
「あ、やっぱり」
先輩はそう言ってホッとしたみたいだった。
「えっと・・ありがとう。」
先輩はそういうと
「先輩、こんな時間なんですからひとりで夜道歩くなんて危なすぎますよ」
「えへへ、そうだね、気をつけなきゃ」
先輩は少し顔を赤くして
苦笑いをした。
「てか、塾入ったんだね、あたしいつもあの時間なんだ」
「そうなんですか・・」
なんだかよくわからないけど
先輩を守りたい一心だった。
「じゃあ、本当にありがとう。片倉くんも早く帰らないと」
「え、先輩大丈夫なんですか?」
「大丈夫。ここからすぐ家だから。」
「以外と近所っすね。俺もです。」
「そうなんだ!」
先輩はそういうと小走りに走って
「ばいばい」
先輩の表情はよく見えなかったけど
先輩は足早に公園を出て行った