秘密の幻


私はそのとき
別れ話を
いつ切り出そうか

そのタイミングを図っていた。



言おうとすればするほど
航との
きらきらしてた思い出ばかりが
よみがえり


私の口にチャックをする。



ああ
私はほんとに
この人のことが
好きだったな。



別れたくない、
って。




航……。


二人で過ごした半年、
楽しかったよね。



私はそう心の中で
つぶやいて

隣を歩く
制服を着た男の子を見る。



< 2 / 29 >

この作品をシェア

pagetop