秘密の幻
『それ、本気で言ってるの?』
『うん。』
それからしばらく
沈黙が続く。
先に口を開いたのは
無口な
航の方だった。
『きっと一人でいろいろ考えたんだな。
俺も一緒に考えたかった。俺たち二人の将来のことなんだから。
でも、
俺はおまえのこと
すごくだいすきだし
すごく信頼してる。
だから
おまえが
一生懸命考えてくれた
結論を
受けとめるよ。』
すると航は
私の真正面に立ち
ぎゅっと抱き締めた。
そして
『付き合ってくれて
ありがとうございました!』
と言った。