◆◇イヤよ、イヤよ、も好きのうち◇◆



エンジン音の後、車がゆっくりと加速していく。


初めてこの車に乗った時と同じ洋楽が静かに流れていた。


無言の二人…。


あたしはただガラス越しに外の景色を見ていた。


「ね…?」


「ん?」


柔らかい口調で話し掛ける横山にあたしは怠そうに返事だけをする。


「こっち、向いてよ?」


なんて甘い声が車内に響く。



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