◆◇イヤよ、イヤよ、も好きのうち◇◆



「怒った顔も良いねぇ…。」


横山の吐息があたしの耳に掛かる。

助手席側まで身を乗り出している横山の体をあたしは避ける様に、窓側に体を寄せた。


「避けんなよ…。」


そう言ってあたしの腕をグイっと掴んだ。


握られている腕がジンジンして、平常心ではいられない。


しかも、こんな狭い空間でこんなに近距離…。


そしてあたしの髪を優しく撫でた。


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