◆◇イヤよ、イヤよ、も好きのうち◇◆



「先程はありがとうございました。」


お礼を忘れていたあたしは軽くお辞儀をして彼の顔に目を移した。


「大した事じゃないですよ。」


彼は、カクテルを一口飲むと、あたしを見詰めた。


慌てて視線を逸すあたしはなぜかドキドキしていた。

少し酔いが回って来たのか、体が火照っている。


でも、まだ彼と話がしたくて平然を装ってカクテルに手を伸ばす。



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