PRINCESS☆STORY
「失礼致します」
キャロルが部屋に入ったのを確
認すると、アリシアはひょいっ
とベットから飛び降り、
暖かい光が降り注ぐ、ちょうど
2人でお茶をするのにはピッタ
リな、彼女のお気に入りのテラ
スへと移動した。
キャロルはテキパキと紅茶を注
ぎ、お菓子をプリンセスの前に
差し出した。
流石はメイド。
用事があって来たとしても、自
らのやるべき事は怠らない。
「……それで、どうかしたの?」
一方アリシアは、ムシャムシャ
とキャロルの切り分けてくれた
リンゴのミルフィーユを食べな
がら話し掛けた。
もしこの場にスーザンがいたら、
「はしたない!!」
と、お小言を頂戴してしまう事
だろう。
だかそんなプリンセスにはある
まじき行動には目もくれず、
いきなり本題に迫られたキャロ
ルは、モジモジと指をいじりだ
した。
「あ、あの、その……」