PRINCESS☆STORY
それを聞いてキャロルは軽く苦
笑し、こう続けた。
「……私、城に住み込みで働き
始める前までは、彼の家の隣に
住んでいました。
つまり、彼とは幼なじみなので
す」
「へえー、そうなんだ!
それでそれで?」
キャロルの口から紡がれるマン
ガチックな展開に、アリシアは
興味津々だ。
「彼、外見には全く無頓着で何
もしていないんですが、実は元
は良いんですよ。
私が保証します!!」
ここまで話し終えた頃には、最
初は恥ずかしげにぼそぼそと話
していたキャロルが、
ケーキをつついていたフォークを
握り締め、熱弁していた。