PRINCESS☆STORY
「プリンセスには、大切な人が
いらっしゃいますか?」
キャロルが、恥ずかしそうには
にかみながら言った。
「……大切な人?」
"私の大切な人は誰?"
自分の胸に手を当てて考えてみ
る。
頭に浮かんでくるのは、優しい
お父様、お母様。
そして城に仕えてくれているメ
イドやチューター、兵士の皆。
皆の事を考えると胸がじんわり
と温かくなり、優しい気持ちに
なれた。
そんな事を考えているうちに軽
く微笑んでいたアリシアを見て、
キャロルもほわんと心が温まっ
た。