ゲームセット
メールを返すと同時くらいで、
今度は電話がきた。
相手はもちろん茜だ…。
プルル…ッッ!!!
『もしも‥』
「もしー?ゆうたー?」
最後まで言うのを待たずに、
いつものテンションの高い茜の声が聞こえた。
『もしもし?今、駅だからこれからすぐ行くよ。』
「じゃあ中学校の前で待ってるねー」
茜との待ち合わせはいつも中学校の前と決まっていた。
ちょうどお互いの家の中間だったし、
今日みたいに茜に呼び出されるのは、
いつも夜だったから…
幼なじみとはいえこんな時間に家に行くのは、
おばさん(茜のお母さん)にも気まずいし。
それに、
中学の頃に茜の家から出るところを、
当時の茜の彼氏に見られてモメたことがある。
あの時は散々だったな…
そんなことを考えながら中学校へ向かった。