ゲームセット
中学の校門近くまで来ると、
座り込んで携帯をいじっている茜の姿が見えた。
俺に気付いた茜は、
立ち上がってニカっと笑いながら、
「遅いよー!!!」
と、意地悪そうに言った。
『ハイハイ、悪かったよ。で、話って?』
また彼氏と喧嘩したとかかな・・・
どうせすぐ仲直りするのに、
そう思いながら茜を見た。
「ゆうたに頼みがあるの!」
『うん‥で、頼みって…?』
茜は、
俺の方をむき直して言った。
「茜の友達と友達になって欲しいの!」
『へっ…?!』
予想もしてなかった茜の言葉に驚く俺とは対照的に、
茜は落ち着いた様子で、
俺の反応を伺っていた。