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だけど麻由は本当の気持ちを知っていた。


そいつが好きなのは彼女だけなんだって痛いくらいわかっていた。

彼女と麻由の気持ちに挟まれて苦しんでるのを見ているのが辛かったって。

それでも好きという気持ちが止められなかったんだって・・・。




話していく内に麻由の声はどんどん小さくなっていった・・・。





「私ね、こんなに人を好きになったのも、
会えない時間をあんなに苦しいと思ったのも、
初めてだった…。

本当に大好きだったけどね、結局彼女を選んだんだぁ。
彼女が喧嘩した時に他の女と縁切ってって言ったらしくてもう連絡とれないって言われちゃったの…。

私、2番目でもいいから側に居たかった。
影の女でもいいから傍にいたかったよ…・」



そう言うと麻由は堪えていたものが落ちるみたいに泣き出した・・・


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