【短編 毛】
兄弟
「あ〜、よくねた。」


兄は、いつものように目を覚ました。


「ったく、まだ寝てるのかよ。
おーい、もう朝だぞ。」


兄は弟に声をかけたが、弟は起きようとしなかった。


「う〜ん、もう少し…。」


弟はそう言ってまた眠りについた。



その10分後…



「おい!起きろ!またいつものがくるぞ!」


兄は弟に声をかけたが弟は起きなかった。


次の瞬間、体ほどの長さがあり、固さのある物体が兄弟に近づいてきた。


「うわぁぁぁぁ!!」


その物体は弟の体にぶつかり、弟は強制的に起こされた。


「もう7時半かぁ。ちょっと寝過ぎたなぁ。」


この兄弟はそんな毎日を過ごしていた。



「俺のお隣さん、昨日の夜にいなくなっちゃったよ。」


兄は寂しそうに弟に話しをした。


しかし弟は気にしない素振りを兄にみせた。


「まぁしょーがないっしょ。そんな日もあるよ。夜はいつも誰かしらいなくなるからね。」
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