青い天使
小さく呟いた魔王は、切ない瞳でアテナを見た。


「お前のためにも、この世界に光が欲しいと思ったんだ。すまなかった」


「待って、魔王様!サラ、お願い。殺さないで」


アテナが泣き崩れた。

「アテナ、サラの剣は殺す道具じゃない。彼は心の闇を取り除かれるだけ」


いつの間にかジゼル様が立っていた。


かつては、彼女があの剣を使っていたのだ。

「サラ・カリノア。女神よ、私を殺せ」



サラは温かく微笑んだ。


「別に貴方、死なないから」
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