青い天使
「俺の彼女に何してんの?」


騒ぎを聞きつけた匡が立っていた。


「これはこれは、天界の王子様」


匡も人間じゃないの…?


「あぁ、あんた魔界の魔王か」


「栞、匡…。早く逃げて。天界を逃げ出した私が悪いの」


結菜の弱々しい声が聞こえた。

……もう我慢出来ない。


「結菜、ゴメンね」


私は本来の姿になって呪文を唱え、結菜の両手を縛っている縄を解いた。


「サエラ、余計なことしないでよ」


アテナが私に向かって呪文を唱え、無防備な私を窓から外へ吹き飛ばした。

「栞!!」
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