神様を信じる小さないきもの
その綺麗な石の数々を手に取り、まゆちゃんが突然こう言った。
「これみんな赤ちゃんだね」
と、慈しみながら命名したのだった。
私は何だか解らないので質問をした。
「なんでこれが赤ちゃんなの?」
「神さまから生まれたから」
「赤ちゃんはお母さんからうまれるとちがうの?」
「うん、だからねお母さんのおなかの中に神さまがいるの」
こうきっぱり、まゆちゃんは大人の答えをしたので、幼児の私はまゆちゃんの高度な解釈に新鮮さを覚えて素直に感動してしまった。無論、この時は赤ちゃんの出来る仕組みなど、知りようもなく、自然に母親のお腹が大きくなって、何処からか赤ちゃんが出てくるくらいしか、考えてなかったと思う。
だから、初めてその領域に考えを踏み出した為に、まゆちゃんの生命誕生の解釈は私にとって、かなり衝撃的であった。
今にして思えば、科学や医学というものがなかった頃の人々はこのまゆちゃんの解釈とそんなに変わらないものだったと思う。
今でもそう考えている人もいるし、生命科学の第一人者の人も、生命の根源はまだ何も解ってないと言ってたので、決して無知や幼稚では片付けられない、直感的なまゆちゃんの解釈は間違ってないのだろうな。
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