蒼天ノ剣〜空守と蒼姫〜
「我が空守の名において、許可を命ず。
天の雷よ、剣となりて打ち砕け――」
蒼天は灰色に染まり雷が剣となって、分厚い窓ガラスを粉々に打ち砕く。
『氷悠、守護壁張るの忘れるなよ』
呆れた口調で黒巴がふたりの前で、守護壁を張っていた。
「烏……ですか?」
「ああ。行くぞ」
氷悠が軽々と空をお姫様抱っこをしたその時、部屋の扉が開け放たれた。
金髪の青年が剣を構え、極めて冷静な顔つきで氷悠を見据える。