蒼天ノ剣〜空守と蒼姫〜
「氷悠の髪は綺麗ですね。お手入れしてるんですか?」

「そんな事してない、女じゃあるまいし」

「瞳の色も綺麗です。わたしの好きなアクアマリンみたいで」

「……」


頬が熱くなり思わず手を口にやる。無意識に言っているに違いないが、氷悠は言われ慣れておらずただ気恥ずかしかった。


「氷悠?」

「なんでもない」

「でも……」

「それより、深行の同行どうする?オレはどっちでもいいけど、断ろうが勝手についてきそうだし」

「わたしは……お友達がいませんから、氷悠がいいなら一緒に行きたいです」

「――深行、いるんだろ」



氷悠がため息をつく。深行はここの祭神だから、姿を消しても全部筒抜けだろうと思っていたため驚かないが、空は瞬きを忘れるくらい驚いていた。



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