蒼天ノ剣〜空守と蒼姫〜
祠の上に、元と同じようにまた深行と深葉那が、何事もなかったかのようにいる。
「はは、バレたか」
「あたりまえだ」
深行がけらけら笑うのを隣で見ていた深葉那は、こんなに楽しそうな兄を見たのは久しぶりだった。
いつも一緒にいるからこそわかる、いつも見てないと見落とすくらいの小さな事だが。深行に気づかれないよう、そっと微笑む。
「氷悠様と空様。ご迷惑かけるかと思いますので、先に謝っておきます」
「え〜かりにもおれの妹なのに、ひどいな――」
「だったら、お二人のお役に立ってください」
「深葉那は手厳しいな。まあ、兄としてはしっかりした妹がいるから頼もしいけど」
兄と妹の会話が終わると、深行は真面目な顔で言った。
「空、帝国、海――で、ここは帝国の支配が強く中心地だから、早く海を越えて、緑の地上へ行った方がいい。唯一帝国の力が及ばない場所だしね」
氷悠はなるほど、と思った。今は安全面が優先で、どのみち氷悠が行こうとしてた場所だから、異論はない。
「はは、バレたか」
「あたりまえだ」
深行がけらけら笑うのを隣で見ていた深葉那は、こんなに楽しそうな兄を見たのは久しぶりだった。
いつも一緒にいるからこそわかる、いつも見てないと見落とすくらいの小さな事だが。深行に気づかれないよう、そっと微笑む。
「氷悠様と空様。ご迷惑かけるかと思いますので、先に謝っておきます」
「え〜かりにもおれの妹なのに、ひどいな――」
「だったら、お二人のお役に立ってください」
「深葉那は手厳しいな。まあ、兄としてはしっかりした妹がいるから頼もしいけど」
兄と妹の会話が終わると、深行は真面目な顔で言った。
「空、帝国、海――で、ここは帝国の支配が強く中心地だから、早く海を越えて、緑の地上へ行った方がいい。唯一帝国の力が及ばない場所だしね」
氷悠はなるほど、と思った。今は安全面が優先で、どのみち氷悠が行こうとしてた場所だから、異論はない。