蒼天ノ剣〜空守と蒼姫〜
重たい沈黙が流れ、深行も予想していなかったらしく、いつもの余裕あるものではなく、眉間に皺を寄せ焦りを隠せないでいる。


翡翠の輝きがよりいっそう増す。


「我水神の願いを聞き届けよ――」


何重もの重なりなって翡翠の輝きを放つ。素早く氷悠が纏っていた臙脂のマントを翻し、空を隠す。


「氷悠も」

「オレは平気だ。光、闇共に耐性があるから」


氷悠と空が深行を見守る中、光はどんどん膨大し、風船が針に刺さり割れるように、突然弾けた。


深行が吹き飛ばされ、氷悠が瞬時に黒巴を呼び出し――そして。



「大丈夫か?」

「氷悠……ああ、ありがとう……うっ」



間一髪深行を受け止めた氷悠の問いに答えかけた時、鋭い痛みが身体全体を走り深行が苦しそうに、顔を歪める。



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