蒼天ノ剣〜空守と蒼姫〜
白衣を纏った青年とふよふよ空中を漂う何かが現れ、あっと青年が嬉しそうに笑みを浮かべた。


「よかったあ、ちゃんと会えて……おれ方向音痴だからちゃんと会えるか心配で。珠月を喚んで正解でした」

「……誰?敵じゃないの?」

「え!?敵なんてとんでもないです!おれは巫女様に仕える巫女守ですから、本当は神威の方が向いてるんでしょうけどねぇ」

「ねぇ、アンタの名前とここがどこなのか、聞いてもいい?」


青年はああそうでした、と軽く頭を下げる。


「ここは緑の地上と呼ばれる世界で、翡翠の森は巫女様がお守りする巫の所有地です。そしておれは――光羽、といいます」

『珠月だヨ。コウは水と光を操るんだヨ』



ふよふよ漂う何かは金魚へと姿を変える。



氷悠は言葉にするのを忘れただ動けずに目の前の青年を見つめた。



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