どっちつかずのキミ。








「―なぁ…実羽?

もう離れんなよ…」


(もうドコにも行くなよ…

いや、行かさねぇよ―…。)

こんなこと思いはしても、俺はさすがに口に出しては言えない。(やたらにキザだし恥ずかしい…)

俺の腕の中に収まり身を任せていた実羽は、何も返事はしなかったが、しかし小さく身じろぎした。(嫌なのかな…)


―また実羽に拒否されたら…嫌がられたらと思うと、俺は怖かった。

意外に俺も、臆病でナイーブ。見た目よりずっと傷つきやすい。(見た目どんなって?それは作者に聞いてくれ)


だから、本当は今まで何度も心が折れそうになったし、幾度も諦めそうになった。

実羽に好かれる自信なんて全くなかったから。(いつも空回りしてばっかりで…)

だけど実羽がいつかこっちを振り向いて、来てくれるのを俺は信じたかった。

ただ、いつも余裕だけがなかった。だから今まであんなことやこんなことを…。

(―以上、俺の頭の中解説終わり…強制)



―ヤバいな…。

今の俺はがらにもなく、ドキドキしていた(実羽に心臓の音聞かれそうだ…)


…だけど

今はこのまま―、


「まだ…このままでいい?

嫌なら言って」








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