どっちつかずのキミ。
「―なぁ……、
何で俺が離したくないって、離れんなって
言ったと思う?」
実羽はやっと顔を上げて俺を見た。(顔がかなり赤くなってるのはまた気のせいか…?)
そして分からないというように首をブンブン振って、実羽は下を俯いしまった。
…何で、俯くんだよ。(俺の顔見ろよな…)
俺はちらっと実羽の反応を見て、不満の色を浮かべる。
「…ホントに分からない?
俺はいつも、お前に振り回されてたんだけど―」
少し尖った言い方で俺は言った。
「…それは・・・!こっちだって―…
あたしだって・・・浬にずっと遊ばれて―からかわれて…たもん」
実羽はまだ下を俯きながら、負けじにいつものように言い返してきた。
「別に…俺はそんなつもりなかった―いや、それもないとは言い切れないけど・・・。
ホントはそれは、実羽の気を引きたくて、こっちに向かせたくて…。
だから・・・何が言いたいかっていうと、俺は、実羽が好きだってことだ―」
ようやっと自分のキモチを実羽に言えた。(頑張ったな俺…)
実羽は俺の言葉に顔をバッと上げ、ビックリしたように目を丸くした。
「…好きだ。
実羽が好きだ。」
俺はもう一度そう言って、実羽を引き寄せた。
.