どっちつかずのキミ。









*実羽Side.



………何て言ったの―?

今、「好き」って言った・・・?

ホントに………?

あたしの聞き間違いじゃないんだよね・・・・?

あたし、信じちゃうよ??
いいの?

(まさか夢オチとかじゃない…?)


あたしは浬の言葉に、信じられない思いで目を擦ったり、頬を抓ってみたりした。(やったら痛かった…)

そうして頭の中で何度も何度も、リピートする。

浬の言葉。

浬の暖かく大きな身体の温もりを感じながら、あたしは段々と実感が沸いて来る。

(夢じゃない…幻でもない……)

―…あたしホントに告白された?!(気付くの遅…)


…何で?でも何で何であたし?!

浬はあたしの―何処に惹かれたの…!?

あたしは次から次へと疑問が降って湧いてきた。(答えが怖いから聞く勇気はないけど…)



すると、浬はあたしの疑問を察したように、また口を開いた。

「―俺最初は…実羽と出会った時は、俺の言葉に一々突っ掛かってくるお前を、
何だこいつおもしれぇ〜くらいにしか思ってなくてさ…
それからも面白半分にからかってみたら、ちゃんと全部に反応が返って来て、俺はそれが楽しみになって・・・。

いつの間にか…気付いたら実羽を好きになってたし・・・今は―」

そこで浬は一旦言葉を切った。


「…実羽だけだ。」

そう言った浬の言葉に、あたしは嬉しさで目に涙が滲んだ。


ずっと…キミからのその一言が欲しかった。

その一言を待ってた。










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