どっちつかずのキミ。








「・・・・実羽は―?

実羽は…俺のことどう思ってる?

実羽のキモチが知りたい―」

浬はあたしの肩を掴んで体を少しだけ離すと、あたしの目を捉えて言った。


―あたしのキモチ…。

今度こそ、言わなきゃ・・・。

いつまでも逃げてちゃダメだ・・・ダメなのよ実羽・・・!(実羽、気合いを入れるの図)


浬にジッと見つめらているせいもあり、あたしの緊張はもうピークに達していた。(心臓の音が尋常じゃないよ…)

あたしは一つ大きく深呼吸をして…ポソッと切り出す。

「・・・たし・・も・・・よ・・」


「―は?何…何言ってるか分かんねぇし…

もう一度言って」

浬は自分の耳に手を当てて、あたしの口元まで近づけて来ながら聞き返してきた。


―…ぅ゛う。恥ずかしいよ。

浬の耳が近く、真っ赤になってあたしは目をつぶる。


「・・・あたし・・・も・・・・」

もう一度言い直そうとしたけど、最後まで言い切る前に言葉が詰まって言えなかった。(何で言えないのよあたし…)


「実羽…ちゃんと言って―

最後まで言って欲しい。」

浬はあたしを切なげな眼差しで見つめて、もう一度と懇願してきた。


―決心したのに…あたしは…やっと決心したのに…、何度も言えずに終わりたくない。
(いや、あなたが言わないといつまで経っても終わらないよ…From作者)


しばらくしてからあたしはやっと口を開き、今度はちゃんと言った。


「―・・・あ、あたしも・・・すきだよ・・・」







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