どっちつかずのキミ。
「浬…もうっ、何すんのよお〜!」
あたしは真っ赤になって怒った。
「…ヤ、だって、実羽溜め息付いてたじゃん?何か構ってほしそうだったから」
浬はニッコリと笑い、楽しそうな声でそう言った。
〜っ!?あたし…声に出してたんだ。
浬の言葉にあたしはハッと口を押さえ、面を少し赤くした。
まさか、見られてた…?
あたしがカップルを恨ましげに見ていたとこ。
そう思って浬をちらっと見やる。
浬はまだニッコリと爽やかな笑みを浮かべてこっちを見ていた。
――相変わらず、男前だなぁ…。
見るからに出来過ぎていて、全く読めない。
顔良し、スタイル良し、性格も良し、とどこからどう見ても完璧な浬は、頭も抜群に良い。
その存在感は、まさに学校一だと噂される程で。
あたしはハッキリ言って、こんなのタイプじゃないけど。
浬のよく気が利き、空気を読むのが上手い所は、思わず感心してしまう。
だから人としては、好きで彼を尊敬していた。
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