どっちつかずのキミ。









「もう浬クンとのキスなんてさ、なかったことにしちゃえ!
とりあえず口、濯いだら?」

「うん、そうする!」

綾の提案にも素直に頷いた。

あたしは学校の運動場にある水道で口を綺麗に濯いだ。

そしてスカートのポケットからハンカチを出して濡れた口を拭く。



キスはそんなに嫌じゃなかったけど、あたしは突然のことでまだ頭がついて行かなくて。

とりあえずあのキスを水に流してみることにした。



そうしてあたしと浬の間には、何もなかった、

・・・
何にもなかった。と―…

そう思い込んでみるようにしてみた。



「よし、ぢぁみうみうリップある?それ塗って、もう帰ろ。すっかり遅くなっちゃったし」

綾がウーンと一つ大きな伸びをしてあたしを振り返った。

「うん、あるっ!塗る!!そおだね〜遅くなったねっ!早く帰ろっかあ!!」

あたしはそれにもまた素直にコクンと頷き、さっきと打って変わり明るい笑顔を見せた。










.
< 23 / 110 >

この作品をシェア

pagetop