どっちつかずのキミ。
それから、帰り道綾と二人並んで歩きながら、ずけずけと浬の文句を言い合った。
といっても、ほとんどあたし一人だけだったけど。
「…あ〜、もうほんとイライラするっ!!浬の馬鹿、阿呆、間抜けッッ」
家路へとスタスタと足を動かしながら、あたしはポンポン文句が次ぎから次ぎへと出て来る。
「まぁまぁ…みうみう、少し落ち着いて。」
綾は愚痴るあたしを宥める役。
「一回深呼吸、深呼吸」
愚痴を言い過ぎて息が切れて来たあたしを見兼ねた綾が笑った。
あたしは綾の言う通りに従ったら少し落ち着いて、それから後はもう黙って歩いた。
もう浬とのキスをなかったことにするって決めたから、あのキスのことには綾も一切触れて来なかった。
その方があたしも有り難かった。
あのことはもう水に流したし、あたしは自らの奥にソッと封印した。
「…ぢぁ、あたしここだから。また明日ね。
―あっ、ねぇ。みうみう…あたしからまた提案なんだけど、浬クンとはしばらく距離置いてみたら?」
去り際、綾がそう尋ねてきた。
そうだなぁ、と思い・・・、
「うん、てかもうあたし、浬とは絶交するっ!!」
あたしは勢い余って、綾にそう宣言してしまった。
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