どっちつかずのキミ。









「…おーい?実羽〜。

実羽っち〜?

実羽ちゃーん?!」

浬はその後も何度かあたしに謝って来たり、話し掛けて来たりと色々試みてくる。

だけどあたしは始終口をつぐんで一切相手にしなかった。

…もう浬とは、関わらなければいいんだ。

そうしたらあたしはもう傷つくこともないし、泣くこともない。

浬のファンにだって、睨まれることも疎まれることもない。

だからあたしは決めた。

浬とはもう絶交する、と。

あたしは、浬から今まで散々からかわれてきたのにも腹が立っていたのに、昨日のキスがあたしを更に頑なにしていた。



授業中もずっと浬の視線を感じていたけど、それにもあたしは無視を決め込んだ。


「―ねぇ。みうみう…めっちゃ浬クンの視線感じるんだけど」

休み時間になり、綾があたしにコソコソとそう耳打ちしてきた。

「…うん、良いよ。あいつなんてほっといて。昨日、浬とは絶交するって言ったでしょ」

あたしは綾に囁き返した。






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