どっちつかずのキミ。








それから二時間目の数学の授業中、あたしに手紙が回って来た。

それは、もちろんあの浬からのもので、男の字とは思えない綺麗な字でこう書かれていた。


「実羽へ。

どうしても口を聞いてもらえないようだったから、手紙書いた。

昨日のこと、どうしても謝りたくて…。

マヂ悪かったと思ってる。ごめんな。

でも、昨日言ったことは全部嘘じゃねーから。

浬」








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―何これ?意味分かんないよ…。

昨日言ったことが何なの、どういうこと。

結局、謝りたいのかそうじゃないのか分からない、と思った。

あのキスはどうしてくれるの。って。



あたしは一番後ろの席にいる浬の方を振り返って、確かめたくなるのを我慢した。

そして浬からの手紙をギュッと握って、手でくしゃくしゃにした。

ちゃんと謝ってるけど、まだ許せない自分がいる。

あたしって…意外と根に持つタイプなのかも―。


あたしは浬との色々なことに耐えられなくなって、机に顔を突っ伏し目を閉じた。






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