どっちつかずのキミ。







*浬Side.


俺は昨日の一件を、どうしてもまた実羽に一言謝りたくて手紙を書いた。

ちゃんと顔を見て謝りたかったが、まともに口を聞いてもらえない今じゃ、全く取り合ってもらえないだろうから。

手紙なら、伝えられると思った。


出来るなら、俺の気持ちも…実羽に伝えたい。

だけど、俺はさすがに想いは直接自分の口で言いたかった。

手紙では本当に実羽に伝わるか、分からない。

どれだけ俺が本気だろうと、ただの紙切れでは、俺の実羽を想う気持ちは半分も伝わらないと思った。

だから、手紙には書かないでおいた。

だがそのかわり、手紙には
昨日言ったことは全部嘘じゃないと、本当だということを書いた。

それは俺が、実羽を可愛いって言ったこと。

実羽を好きだって言ったこと。

実羽にキスしたいからしたと言ったこと。

それら全部含めて。


昨日、俺が実羽に言ったこと全部に嘘は一つもなかった。







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