どっちつかずのキミ。








*実羽Side.


・・・・ぁ―。どうしよ…。

浬からまた逃げて来ちゃった。

絶交中とは言え、人から避けられるのはあまり良いものじゃないよね。

少なくともあたしは、今までの経験から考えても、誰かに避けられたら悲しくなったし、すごく傷ついた。

きっと、浬も…そうかもしれない。

浬のあの顔で、あの性格で、女のこに避けられたことなんてなさそうだしなぁ。

ホントに根はちゃんと良いヤツだと思うから。

やっぱり、何があっても…嫌いにはなれない。

…キスされたのに―、ホントはまだ嫌いなんてちっとも思ってない。


あれはかなり不意打ちで、あたしもよく考えれば悪かったし。

だけど、やっぱり許せない!

まだ浬には、もう少しだけ反省して貰わないと。

女のこの大切なファーストキスを奪った罪は、大きいんだもん!!

あたしは一人あのキスを思い出して、またプンプンむくれて頬を膨らました。







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