どっちつかずのキミ。

あたしはその時、手に何か握っているのに気づいた。

｢…あ。手紙、｣

さっきの、浬からの…。

あたしはもう一度それを読んで見た。


よく見てみると、一番下の方に小さくまだ何か書いてあった。

｢P.S.

絶交は、されたらたまんねぇーよ。ホント、マヂで許して。

実羽からかうの、俺結構好きなんだけど…？

｣

…だって。

ムカッ、何よもうこれ―。

ヒドイやぁ。

でも・・・何か、浬らしい。


あたしはまだ少し腹が立ったけど、でもそれは怒るとかそういうレベルじゃなくて。

ただ、呆れた。

あまりにも浬らしくて。

謝り方と言い、物の書き方と言い、全てもうこれが浬なんだなぁ―って思った。

そして、いつまでも浬を拒んで絶交なんて野暮なことをしている今のあたしが馬鹿馬鹿しくなった。


結局あたしは、突然キスしてきた浬を許せるかも分からないけど、いつもの浬を失うのは―

正直、あたしは淋しいと思っていたんだ。






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